「堀江由衣 LIVE TOUR 2022 文学少女倶楽部Ⅱ〜放課後リピート〜」の記録
次があるとは思わなかった。
あの文句無しに楽しかった「堀江由衣 LIVE TOUR 2019 文学少女倶楽部」から2年。 ferumemo.hatenadiary.jp
2022年を迎える頃、僕は「LoveLive! Series Presents COUNTDOWN LoveLive! 2021→2022 ~LIVE with a smile!~」に参加していた。 終演後、良い年越しだったなあと思いつつ携帯を見たらライブツアーの発表。
余韻も吹っ飛び、ただただ衝撃的だった。 というのも、前回のライブツアーが終わって僕はこう書いた。
考えてみればライブ自体が4年ぶり,ライブツアーは7年ぶり.次があるかもわからない. 少なくとも今回16年ぶりの生バンドを次に聴ける機会はないと考えても良いだろう.
生バンドでライブツアーなんてもう二度と無いだろうと確信していた。 だから同じ形式でのライブツアーと聞いて本当に嬉しかった。 このライブに行かない選択肢は無いだろうと、何の躊躇いもなく全公演への参加を決めた。
そこから数か月、ゴールデンウィークに突入してツアー開幕。 初日名古屋ではギリギリに着く連番者を待って開演7分前ぐらいに着席。 やまびこ講座が終わりかけている。 しばらくして会場が暗くなって映像が始まる。 3年半ぶりに見る文学少女俱楽部の姿。学生服を着た演者達の紹介。バックに流れる光の海へ。
ああ、本当に前回と同じ形式で、まさに今ライブが開催されているんだ。 懐かしさもあってこの時点で既に泣けそうだった。
以下、セットリスト等を振り返りながら感想を書き残す。
1. 月とカエル
アルバム発表から初めて公開された楽曲だったか。 YouTubeで公開されているリリックビデオと相まってステレオタイプな青春という感じで、正直あまり好きな曲ではなかった。 でもライブで、本人が生で歌っているのを聞いて、またパフォーマンスが見れる現実に感謝をした。
今ではこのツアーを象徴する曲としてかなり好きです。
2. 光の海へ
文学少女俱楽部のテーマソングとでも言うべき一曲。 前回のライブツアーでも映像のBGMとして流れていただけに思い出深い。
3. ラブアテンション
ライブで一気に好きになった。 前回のツアーではライブで化けたアルバム曲枠がキミイロだったけど、今回は間違いなくこれ。
サビで跳ぶ振りも間奏のエアギターも大好き。
4. 恋する天気図
流石に崩れ落ちた。ほぼ地蔵で聞き入っていた。
ダンサーの鮮やかな衣装。楽しそうな手拍子。可愛らしい振り付け。ラスサビで一列になって階段を降りてくる。
最高の形で聞けた。3年前にオタクカーの中で「オタクの人生を作った楽曲プレイリスト」なるものをかけていたら恋する天気図が流れて僕が「そういや堀江由衣ライブツアーやるらしいねこれ聞きたいね」と言い出したのが発端な気がするので、3年越しにそのとき車にいたオタクと連番で恋する天気図を回収できたの感無量ですね
— Feru (@Feru54604) 2022年5月8日
天才的MC
「周りがちょっとぶつかったくらいで気にしない。 演者だって頑張ってこのステージを作り上げている。それなのにステージより周りの客が気になるの?」
色々な現場で、周りの客の行動に対して苦言を呈する、いわゆるお気持ち表明が回ってくるのを見る。 僕自身が共感はできなくとも、苦手な人もいるだろうなと理解できる部分はまあまあある。 時代や場所が変われば暗黙の了解も変わるものだし、どう折り合いを付けるかはかなり難しい。 だからこそ、この序盤に、どういうライブを作り上げていくか、目指すものを示してくれるのは偉大だ。
「前の人よりちょっとずつ高く跳んで最後列は2mぐらい跳べば良い」と方向性を示してくれた。素晴らしい。 ちなみに垂直跳びのギネス記録は122cmらしい。
前回の感想にも以下のように書いていた。ブレずにライブをやり続けて欲しいですね。
「横の人と多少ぶつかっても怒らない、なんたって最高のライブだから! 前の人が高くても2時間あるライブのどこかではほっちゃんを見れる!(大宮では2時間しかないのかと少しがっかりしてしまったが,蓋を開けてみれば3.5時間もやってた) でも後ろの人への気遣いは持ってね!」
あらゆる人に配慮したMCだ.こういう内容を角が立たないように言葉を選んで面白おかしくしながら喋れるの,本当に凄いと感心してしまった. ライブの回数もあんまりないのに何でこんなにMCがうまいんだ?
5. Wake Up
振り付け曲。まさに小手調べという感じで、覚えやすくて楽しいのが良い。 落ちサビで左右にゆらゆら揺れる動きが結構好き。
6. 半永久的に愛してよ♡
これも嬉しすぎる。
振り付けが目に焼き付いてしまって、あの動きを思い出さずに聞くことが不可能になった。サビの手の形が歌詞に合わせて変わっていくのが好き。 5分という短い時間に展開が詰め込まれているの凄すぎる。
ただ唯一反省している曲でもある。
今回のライブの反省点
— Feru (@Feru54604) 2022年5月8日
ライブ前に「もし『半永久的に愛してよ♡』が来たら完璧にクラップ決めるぞ!!!!!!」と意気込んでいたのに、周りの清竜人に騙されて滅茶苦茶なタイミングでクラップしてるオタクを見て僕もよくわからなくなってしまった
7. Days
何なんだこのライブ、前回これも聞きたかったな~と心残りだった曲がどんどん出てくる。 恋する天気図で満足していたところに、藍蘭島からもう一曲聞けるとは…! 太古からのPPPHが復活しているのを感じて楽しい。
ゼロ年代後半の楽曲、全て名曲で、全てに思い入れがある。冷静に、堀江由衣さんのこのへんの曲、僕たちのオタク初期!!!!!って感じのが詰まっているんですよ(来年で30歳) pic.twitter.com/WXGIkVMhVS
— Feru (@Feru54604) 2022年5月8日
このライブで楽しそうに参加している45歳くらいの人はDaysの頃には30歳。 そう考えると、まだまだやっていけるぞ!という気分になる。
8. 笑顔の連鎖
楽しい曲が続く良い流れ。 笑顔の連鎖という曲はどこを切り取っても全部好きなんだけど、最後のサビが終わったと思ったら「曇らぬ笑顔で~」ともう一暴れ!と言わんばかりに続くのが特に好き。
9. キラリ☆宝物
5パターンの振りでまるまる一曲を踊る。初日名古屋ではこんなもん覚えられるか!と笑ったけど3公演目にもなるとほぼ完璧に覚えてしまう。
初日、振付講座を聞きながらここまで踊れそうな新曲あったかな~と考えていたら知ってるイントロ。 これってそんな曲だったの!?!!?と驚き。 名古屋大阪ではシャボン玉が噴出された。次の曲に入っても生き残りが見えると地味に嬉しくなる。
コロナ禍で色々と制限されている中、既存の曲もより一層楽しんでもらおうという姿勢が嬉しいですね。
10. try again
ここまで聞いて、あ~最新アルバムの曲と前回やらなかった曲中心の代表タイアップが織り交ざったセトリね完全に理解したわ~と思っていたら、突然この曲。 名古屋終わった後「これ何でもないアルバム曲だよね??」と何回も確認してしまった。 後に知るライブ全体のコンセプトを考えるとtry againという曲が来るのは当たり前なんだけど、とにかく驚いた。
トライアゲインという曲名は名曲の法則。
11. The♡World's♡End
半永久の後でこれも来るのか! ワールドエンドの庭というアルバムは名盤なので、あのあたりの曲はいくらでも聞きたい。 途中のエアドラムでは前ツアーのA Girl in Loveを思い出さずにはいられなかった。
東京1日目の終盤のMCではこの曲でダンサーの真似を要求されて笑った。最近振りコピに対するお気持ち表明を見ることはあってもはっきり要求されることは無かったもので。 田村ゆかりの「You & Meのmotsuパートは王国民がやれ」以来の衝撃かもしれない。 そして東京2日目では踊ってる人が何人か見えたというMC、演者って客側が思ってるよりこっちのこと見えてるんだなあと改めて。
12. ヒカリ
名曲は何年経っても色褪せない。 前回ツアーと違ってめぐる冒険verの振り付け。こっちでも完璧に揃っていて軽く感動してしまう。
13. チャイム
じわじわ好きになっていく感じの曲。意外と動く振り付けに注目していたけど、よく歌詞聞くと良いことを歌ってる。
14. 虹が架かるまでの話
順当に良い曲。順当に良い曲すぎて順当に良い曲としか書けない。
前方の2連番がペンライトを3本と4本ずつ持って虹の七色を表現していて、良い楽しみ方をするなあと眺めていた。
15. ALL MY LOVE
電撃が走るかのような出だしで一気に高まれる。 最後の東京2だけ3階席だったから会場全体がよく見えたのですが、ここまで踊ってたのかよと笑った。
16. Adieu
毎回、序盤で静かな曲の心積もりになってしまうけどいつの間にか超激しい曲になっている。
直後のMCでも解説があったけど相当難しいらしい。解説を聞くと注目ポイントも増えて良い。
堀ジャム
前回のツアーにもあったコーナー。バンドメンバー一人一人に見せ場をそれぞれ演奏してもらっていたが、今回はよりパワーアップしていた。 各楽器にスポットを当ててここまで解説してもらえることって普通無いよなあ。 最終日では3階席だったのもあって双眼鏡で全員の動きや表情も含めてよく見ていた。
どうでもいいですが、ドラムの楠瀬拓哉さんの関西弁に親近感があるなあと調べてみたら出身地がそこそこ近くて納得した。
17. 心晴れて 夜も明けて
降り注ぐキラキラ。映像とリンクした演出。
3公演目ぐらいで知るが、ループを抜けた回でこの曲が入ってるの、本当に良い使い方。
18. YAHHO!!
純粋に楽しい。ラスサビで縦一列になるところが特に好き。
19. CHILDISH♡LOVE♡WORLD
初参加の人たちの「これだけは聞いとけって曲ある?」に対して僕はこれを挙げていた。 各々が自由に楽しむ中で、それでいて一体感もある。これがライブだよなあという曲。
20. スタートライン
このライブの最後に聞くことで完成した、そんな一曲。
東京1のMCで創作ダンスっぽい振りに言及があって、こんな激しい振りしてたのか…!と最終日では注目していた。
個人的には光の演出にぐっときた。
ちなみにこの坂本真綾さんの方は現地で震えましたし見たさに円盤買いました。好きなライブ演出
— Feru (@Feru54604) 2022年5月9日
・坂本真綾 25周年記念LIVE「約束はいらない」 birdsでステージを囲っていた鳥籠が後半に外れてミラーボールの光が会場全体を包む
・堀江由衣 LIVE TOUR 2022 文学少女倶楽部Ⅱ ~放課後リピート~ スタートラインで「時よ止まれ」の瞬間に動きが止まりスポットライトで映し出される
(愛知・東京1)EN1. 翼
本人が色を変えながら楽しそうにペンライトを振る姿が良いですよね。 この曲に限らずだけど、公式ペンライトをここまで活用されたらそりゃ完売するわ。(結局買えなかった)
間奏でバイオリンに向けて振る光景が残っている。
(大阪・東京2)EN1. I wish
大阪で披露された時の周囲の反応が忘れられない。
2000年の1stアルバム収録曲。僕が小学校に上がるくらいの頃なのでリアルタイムで聞いているはずもなく、後から予習として聞いてまあ知ってはいる程度だった。 「良い知らせか悪い知らせかわからないけど翼の枠は日替わりです」のMC後にイントロが流れたときのざわつき、そして周りがひたすら飛び跳ねたり泣き崩れたりと、各々の感情を爆発させていた。
僕達が恋する天気図に十数年分の思い入れがあるように、この人たちには約20年分の深い深い思い入れがある。 そんなことを思いながら聞いていたら、自分にも思い入れがあるような気がして一気に好きになった。
EN2. Merry Merrily
このライブで唯一の知らない曲だった。我らが三嶋章夫のリクエストらしい。 時代を感じさせる楽しげな曲調で良い。
初日の終演後にやまとなでしこの曲であることを知った。一体今は何年なんだか。 入れ替わりでAice5を少し期待しちゃった。
EN3. Happy happy * rice shower -type yui-
「最後はやっぱりこの曲」、安心感がある。 悔いのないように全員が本気で楽しもうとしている光景が本当に好き。
総括
参加前はいくらなんでも流石に期待が大きすぎるんじゃないかとか、全然曲知らない人も連れてくるけど良かったのかなとか、少し心配だったけど全くの杞憂だった。
このライブツアー、良い曲で盛り上がって純粋に楽しいというのも勿論あるがそれだけでなく、公演自体が一つの作品として完成されている。 時間をループする幕間映像、その映像とリンクしたステージ上での演出、よく聞くとセットリストもそれに沿っている。
1公演目では映像とライブ自体の繋がりにすらほぼ気付けなかったが、回を重ねるにつれてどんどんライブに対する解像度が上がっていった。 「文学少女倶楽部のライブは8曲ってわかりました?」とアンコールでのMCで言われても、最初は正直全くピンと来なかった。それを踏まえた上でもう一度参加して納得。 曲や振り付けだって、これでもかというくらい一人一人にスポットを当てて解説をしてくれて、公演のたびに注目する箇所が増えた。
本当に全公演参加して良かった。 普段ライブツアーというものに期待するセットリストの入れ替えはほぼ無かったが、そんなこと全く気にならない。
コロナ禍だからこその演出、これまでの曲にも派手に振りをつける。声付きペンライトも設定に絡ませて大活用。 コロナ後も色々な人のライブに行ってきたが、ここまで完成度高く考え抜かれたものは初めてのように思う。
前回のツアーは2019年末、コロナの影響を受けないギリギリの時期だった。 その時は2,3人で割と細々と行っていて、勿論それはそれで楽しかったのだが、今回より多くの人たちと一緒に行けてライブ前後のやり取りも含めて良い思い出になった。 コロナがきっかけで作ったDiscordのサーバーなんかを通じてより輪が広がって、毎回4連番組んでいた。
自分たちが絶賛していたのを聞いて、詳しくはないけど興味を持ったという人が参加してくれた。仲間を増やして帰ってきた、みたいな誇らしさもあった。
……いやまあ自分の影響で来たと考えるのは少し自意識過剰気味かもしれないけど、でも前回の自分の感想を「面白かった」と読んでくれた人はいたし、そうでなくても楽しかったことを言語化して記録しておくのは楽しいから、自分のためにもこの感想を書こうと思い立った。
初日名古屋の打ち上げ後の感想。我ながら良いことを言っている。 ちなみに大阪で暇な30歳は来なかった。打ち上げでも話題になったけど、堀江由衣さんのライブには我々30前後のオタクの原体験が詰まっている。明日大阪付近で暇な30前後のオタクはたとえ一曲も知らなくともグランキューブ来たほうがいいです
— Feru (@Feru54604) 2022年4月29日
ところで、東京2日目のアンコールでの最後のMCが個人的には印象に残っている。
「ロケ地でバンドメンバーがダンサーの女の子脅かして遊んでた」「男子高出身でこういう体験が無いから楽しかった」らしい。(実際はその後にホラーな話が少し続くが) 「いや良い年して何やってんだよw」「ツアー最後がそれかよw」という感じである。 それだけの話なはずなんだけど、凄く良い話に感じてしまった。
若いうちに楽しんでおけば良かったなんて思ったって、我々は映像中のほっちゃんと違いタイムリープ出来ないんだから、年を取っても楽しむべきなんだ。 良い年して青春を取り戻すかのような話はまさにそれを体現している気がした。 全くそんな意図はなかったと思うが、ライブとの繋がりを勝手に感じて勝手にしんみりしていた。このライブツアーを締めるに相応しい最高のMCだったとすら思っている。
我々も年を取っても楽しみたいと切に願う。
おまけ
気付いたら打ち上げでオタクの写真ばっかり撮ってた。
あ~、もっと違う写真とか撮れば良かったな~。
「えっ、なんで? 楽しかったじゃん」
おわり