中途半端に知ってる状態で「堀江由衣 LIVE TOUR 2019 文学少女倶楽部」に行ったら2019年一番楽しかった

堀江由衣 LIVE TOUR 2019 文学少女倶楽部 大宮公演2日目(12/15), 一宮公演(12/28), 大阪公演(12/29)に参加してきた. 文句なしに今年一番のイベントで,普段はちゃんとした文章にすることが殆どないけど記憶が割と鮮明なうちに何か残したくなったので感想を書き残します.

ライブに行くまで

記憶は曖昧だけど確かこれで堀江由衣の名前を知った.「へえオタクの中ではこういう人が人気あるんだ~」程度の認識でそれ以上の深追いはしなかった.

2007年ごろ,僕は中学一年生とかそこらだった,ニコニコ動画が本格的に始まって大量にアニメ関連の曲を聴いた. シスプリは世代じゃないが何かのメドレー動画に使われてたLove Destinityとか聴きまくったし,恋する天気図とか大好きだった. アニメもちょくちょく見てたから堀江由衣ってこういう声の人か~ぐらいの認識はあった. その後に始まったとらドラ!もその主題歌も好きだったけど,堀江由衣自体にとくに思い入れはなかった気がする.

2009年,高校に入学した僕はtwitterを始めた.手あたり次第に面白そうな人をフォローしてたら声優クラスタの割合が高くなった. ある日,NHKで放送してた「MUSIC JAPAN新世紀アニソンSP2」という番組の実況でタイムラインが埋まっていたのでテレビを付けた.堀江由衣も出てきた.

初めてライブパフォーマンスを見た.YAHHO!!とバニラソルトを歌っていたのがすごく印象に残った. へえ武道館でもライブした声優なんだ,楽しそうじゃん.という風に興味を持ってこの一時期だけ天使のたまごも聞いてた.

大学に入学した2012年から水樹奈々現場を中心にイベントに行くようになった. 強い声優オタクの先輩が定期的に主催するカラオケに誘われたのもあって色々な現場のライブ定番曲を知っていった.CHILDISH♡LOVE♡WORLDとかここで知ったんだったかな. ただ堀江由衣現場はライブが少ないのもあってKING SUPER LIVEで見た程度だった.

大学院を出て社会人も2年目の2019年,7年ぶりのライブツアーをやると聞いた. ちょうどその頃,長野県でやるアニソンフェスに同じ1993年生まれのオタク4人で行った.

行き帰りの車で「行きてえな」「恋する天気図拾いてえな」という話題になり,この中のメンバーで連番した.

大宮2,一宮,大阪のチケットをなんとか手に入れて参戦.譲ってくださった方々には本当に感謝しています.

twitterに流れるチケット譲渡情報を捕捉するbotも使った.

最新アルバムを聴いたほか以前のタイアップやライブ定番曲を中途半端に知っている,そんな状態で参加した.

セトリとか

映像1 転校生

バンドメンバーとダンサーが高校生となり映像に登場.ここでメンバー紹介する演出が個人的に新鮮だった.
堀江由衣,17歳です.」

1.春夏秋冬

初回の大宮2で聞いたとき曲名が出てこなくて、いきなり何だっけこれ…となったのは反省.正直アルバムで聴いてたときはあまり刺さらなかったんだけど,今回のライブを経験してから聴くと良すぎる.
"いつか花は枯れると 寂し気に 君は呟くの"
巡っていく季節.これほど今回のライブの開幕に相応しい曲もない.

2.ヒカリ

2曲目から来る!?イントロ流れてきたときの衝撃.イントロ開始数秒で「これから凄いものを見せてやるぜ」という主張を感じさせる曲. 事前に映像で見た振りと違うことに気付いたが,後から聞くとこれが通常で僕が見たのは剣を持っている特別verらしい. 全員が緑のペンライトにして振りコピしてる光景が忘れられない.

MC1 最高のライブにしよう


大宮2: 今世紀最高の
一宮: なんだかんだ2019年一番良かった
大阪: 控えめに言って人生最高の
ライブにしましょう!横の人と多少ぶつかっても怒らない、なんたって最高のライブだから! 前の人が高くても2時間あるライブのどこかではほっちゃんを見れる!(大宮では2時間しかないのかと少しがっかりしてしまったが,蓋を開けてみれば3.5時間もやってた) でも後ろの人への気遣いは持ってね!

あらゆる人に配慮したMCだ.こういう内容を角が立たないように言葉を選んで面白おかしくしながら喋れるの,本当に凄いと感心してしまった. ライブの回数もあんまりないのに何でこんなにMCがうまいんだ?

3.笑顔の連鎖

劇団員の小手調べ,振り付け講座からの笑顔の連鎖.「一番好きだよほっちゃん!」コールは知ってたけど指トントンする振りがあったのか. 間奏の振りも見よう見まねで対応. 一曲通してとにかく楽しかった.結構前から好きだったがライブで聞いてより好きになった曲.

4.Love Destiny

なんだこのクライマックスみたいな流れ??? キンスパではだれもやってなかった裏跳びをみんなやってていた,良かった絶滅していなかったんだ…! 振りもシンプルだから簡単に真似出来て楽しい. しかし,この曲の生バイオリンをもう二度と聴けないと思うと寂しすぎる….

5.桜

恥ずかしながら初回は知らなかった.ただ周囲のオタクの頭の抱え様からとんでもない曲だというのは容易に想像できた. 桜の散る演出に合った良い曲だった. 一宮では口上を覚えてから参戦.ほっちゃんが舞台を去ってからもひたすら合唱してたのが印象的.

映像2 夏

課題が終わらないバンドメンバーたちが手掛かりを求めて文学部に. そこにほっちゃんと居合わせ,バンドメンバーとともに文学少女倶楽部に入部することに.
「17歳の夏は一度きり」
面白すぎる. 打ち上げ花火.横から見る?

6.Sunflower

じわじわ湧き上がってくる感じが良いですね.毎回地蔵して聴いてた. いま音源聴くと間奏のギターが物足りない.

7.Stay with Me (大宮2, 大阪)

キンスパ2015で初めて知った曲.だから相当前の曲なような気がしていて最新アルバムに入ってるの感覚が狂う. 新しめの曲なのに懐かしさを感じるのは堀江由衣を初めて生で見たときの曲だからか.

7.夏の約束 (一宮)

大宮2が終わった後「ひとつ言うなら夏コーナーで夏の約束が聴きたかった」と連番者に話してたら入れ替えだった.大勝利.
"変わらず繋がっている ココロがあるから
またすぐに会えるはず
ここで待ってる
"
最後の歌詞を信じていたい.

8.never ever

ライブで聴いて評価爆上がりした.雨の演出がとても良い.演者が傘を差す曲は名曲. 今回のアルバム全体に言えるけど,最初は評判ほど刺さらなかったのにじわじわ好きになっていく.

MC2 メンバーと仲良くなれない気がする

バンドメンバーやダンサーと打ち解け切れていないと感じるほっちゃんが一人一人にテーマトークを振る.
大宮2: 自分だけが知っているほっちゃんのいいところ
一宮: 今だから言えるごめんなさい
大阪: ほっちゃんとの思い出orいいところpart2
…何で生バンド16年ぶりのはずなのにいじり方がこんなにうまいんだ?? 一宮で人狼ゲームに誘われなかった話が出くる.大阪でもそれを引きずって,その深夜にtwitterで「ほっちゃん含めて人狼やっている」後日談が投稿された.心温まる良いエピソードだ,3週間しか見てないはずなのに何ヵ月も見届けていた気分.

9.キミイロ

一曲まるまる踊る曲.完全にライブ化けした,信頼筋のオタクが全員そう言ってる. 「下ろす下ろすくるくるぱぱん」「円を描きます」「ワイパーのように」「倒す倒す倒す上げる」「くるくるまわしてパーパーパーパー」 振り付け講座の声が沁みついてる.バンドメンバーもパートの合間に楽しそうに踊っていた.この光景を忘れたくないからここだけでも映像化して欲しい(?)

10.PRESENTER

大好きな曲.これから何かが始まるんだ,という期待感に満ち溢れた曲. DOG DAYSの曲は大学入学の時期を思い出す.そういう意味では自分の大学生活の始まりにも重なる. 掛け合いもキンスパと違って死滅してなかった.名曲.

映像3 秋

朝顔は秋の季語.タイムリープとかネタ要素がたくさん. 黒板に三角関数っぽいものが登場してた気がするのですが何を計算してたのか気になる.

過去のMVが全部流れるの古参からすればたまらない演出だろうなあ. あまり詳しくない自分でさえLove Destinyだ!インモラリストだ!silky heartだ!Coloringだ!と懐かしめて感慨深かった.

11.朝顔

入りの音が好き.生バンドで聴けて良かった.
"暗い夜こそ明るい君と過ごしたいんだ"
オタクに言われて歌詞が良すぎることに気付けた.

12.True truly love

それなりに前から知っていた曲だけどここまで盛り上がるとは知らなかった.ひたすら跳ぶ. Cメロの掛け合いが最後まで曖昧だったのは内緒.

MC3 コールアンドレスポンス・グッズ紹介

みずほ銀行」「三菱UFJ銀行」「三井住友銀行」「りそな銀行」「ゆうちょ」,メインバンクを叫ばされることなんかある?前代未聞すぎて面白かった. 出身地アンケートでは大阪公演でも地元民は思ったより少なかった.「京阪」「南海」「阪神」とどんどん個人情報がばらされていく. グッズ紹介,Tシャツもハンコケースも売り切れで買えなかったのが悔やまれる….

13.YAHHO!! (大宮2, 大阪)

はじめて見た堀江由衣のライブ映像がこの曲.YAHHO~ヤッホー,最初に考えた人天才すぎないか? 見よう見まねで振りコピ楽しんでた.

13.スクランブル (一宮)

あまりがっつり聴いてた記憶はないんんだけど不思議と歌詞はちゃんと出てくる. アニマ神戸でも拾ったけどやっぱり本家だな~.

14.Love Countdown

今回一番嬉しかったかもしれない. silky heartカップリングのマイナーな曲としか認識していなかったため,この代表曲をやる流れで聞けるとは全く思ってなかった. 中途半端に知ってたがゆえに嬉しかった. ひたすら楽しい曲.初回参加ではYAHHO!!が終わった直後だったのもあって反応がかなり遅れた.

15.A girl in love

ライブで初めて聞いた.哀愁を漂わせながらも楽しい曲. 気が付いたらダンサーがマーチングになってて演出も面白い. これ岡崎律子さんの曲なんですね.僕がオタクやり始めた頃には既に亡くなられていたのだけど,いかに愛されているかをひしひしと感じる.

映像 冬

100年前の今日の新聞が出てくる.その日も大雪だった.ほりのこうじさんが残したものを開ける.

16.Golden time (大宮2では17)

キンスパで絶対やると思ったらやらなかったやつ.拾えて良かった. Aメロの跳びポイント忘れがちで反省. そういやこのアニメ全然見てないや.

16.happy snow (大宮2)

全然知らない曲だった.クリスマス前限定でサンタさん衣装. 季節が巡ってくるの本当に良い演出だとしみじみ.冬のライブでも四季の曲を聴けるし.

17.心晴れて 夜も開けて (一宮)

聞いたことがある気がした程度で曲名が出てこなかった.でも平気! これも岡崎律子さんの曲なんですね.偉大な御方だ. 「この曲は一宮限定です」と言ってくれるから明日の大阪も初披露の曲がある訳だと期待が膨らむ. 「恋する天気図かバニラソルトだったら大勝利だけど,前者は冬っぽくはないし,後者は同じアニメから何曲もやらないだろうなあ」なんて考えてた.

17.バニラソルト (大阪)

これなんだよなあ~.

MC4 バンドの見せ場

大宮2と大阪ではバンドメンバーの一人一人が見せ場をソロで演奏するという流れに.(ここ一宮では何やってましたっけ?) これ,任意のライブでやるべきじゃないですか. 普段は何気なく聞き流してる各パートのそれぞれがひたすら格好良い.目立たないところでもこんな凄いことやってたのかよ. A girl in loveの不協和音の話とかとても面白かった.曲の表現力みたいなものってこうして磨かれていくのか. PRESENTERのイントロの良さも改めて実感できた. 何か楽器をやりたくなるようなMCですね.

18.アシンメトリー

曲提供がangelaと聞いて確かにangelaだわと納得した.昔から堀江由衣に楽曲提供してたのは全然知らなかった. 振り付け良かった気がするんだけど忘れてしまったし映像化して欲しい….

19.silky heart

泣ける.数列前で指差し振りコピやってた人たちが本当に楽しそうだった.僕は地蔵してた. 一度のライブでバニラソルトとsilky heartの両方が聞けることなんてある?
"キレイゴトかも知れないけど 傷付きたくない ただそれだけ
なんて自分に言い聞かせた 逃げてるだけだよね
"
とらドラ!見直すか….

MC5 最後の曲です

何度も「えー」を言わせようとするほっちゃん.本当に終わりたくない….

20.CHILDISH♡LOVE♡WORLD

ライブの楽しさを教えてくれる曲. 何かでライブ映像を見て楽しそうなのは前々から知っていたから実際に聴けて良かった.

アンコール

流れるエンドロール.三嶋章夫に大きな拍手.

21.光の海へ

映像中に何度も流れてた曲をおまけパートの頭に持ってくる納得の構成. サビの至る所で全力のジャンプを決めていた前の方のオタクを見ていいねぇ~ってなってた.

MC6 呼ばれてないのに出てくるアンコール

映像の説明.イメージは映画の予告編だから結局はよくわからないとのこと. 春夏秋冬とめぐってきて次の春が来る. そんな時期に相応しい曲を次にやる. 「冷たい冬が終わって春が来る」「本編最後にやることも考えた」「自分の曲じゃない」と,曲への強い思い入れが伝わってくるMC. 何だろ?サクラサク?とか見当もついてなかった.

22.For フルーツバスケット

そうかこれがあった.全員ご着席で聴き入る. 大宮2から一宮の間でフルーツバスケットのアニメを見た.もちろん2001年版.ぐっとくる話が多くて良かった.
"生まれ変わることはできないよ だけど変わってはいけるから"
主題歌ってこういうことなんだなあ….

23.Happy happy*rice shower

これって最後の定番なんですね.曲は何となく聞いたことあるけど知らなかった. 「最低な顔」をかき消す「最高ほっちゃん」に劇団員の温かみを感じます.

最後に下手,上手,全体でジャンプして挨拶.隣の人と手をつなぐ. 良いライブをありがとうございました.

千秋楽の大阪では終演アナウンスが流れてからもアンコールが鳴り止む気配がなかった.客がここまで本気でアンコールをしている現場は初めてだったかもしれない. 搬出の都合とかあるから(一瞬その手のバイトやってたのでわかります)いつまでも残り続けるのは良いことじゃない,けれどそれだけ素晴らしいライブをしてくれた何よりの証拠だ.

全体振り返って

最新アルバムと代表曲を知ってるだけのつもりだったけど,わからない曲はほんの数曲しかなく,その数曲も含めて全部楽しめた. セトリも構成も演出もとても良かった. でもそれだけじゃなく,ほっちゃんが冒頭のMCで言った「最高のライブ」を会場全員が楽しもうとしてた.これが一番大きいように思う.

考えてみればライブ自体が4年ぶり,ライブツアーは7年ぶり.次があるかもわからない. 少なくとも今回16年ぶりの生バンドを次に聴ける機会はないと考えても良いだろう. この貴重な機会に観客全員が真剣に聞いていたし真剣に高まっていたことだと思う.

普段僕は水樹奈々現場を中心にイベント参加してるんだけど,ほぼ毎年10公演以上のライブツアーをやってくれるし,大体ライブが終わる頃には次のライブの開催を発表してくれる. どのライブも楽しんでるとは言え,中には「またこの曲か~」と半分惰性になっていることも否定できない. でも何回目であっても目の前で行われているパフォーマンスを見れるのはその一瞬しかない. もっと目の前の一瞬一瞬に真剣に向き合うべきなんじゃないか.そんなことを感じさせた.

もし次があったら絶対行きます.